古代ギリシャの彫刻作品に「裸体」が多い理由とは?

古代ギリシャの彫刻作品に「裸体」が多い理由とは?

古代ギリシャ時代には数多くの彫刻作品が作られ、ローマ美術やオリエントの美術にも大きな影響を与えました。ここでは古代ギリシャ彫刻の特徴や素材、彫刻に現われる古代ギリシャ人の宗教観・精神性などについて解説しようと思います。

 

裸体の作品が多い理由

古代ギリシャで作られた彫刻作品には、美しい人間の裸体を模したものが多いです。肉体美を強調した作品が好まれたのは、古代ギリシャの人々が、神々を「完全なる美」を体現した存在とし、「神が作り出す肉体は美しいもの」だと考えていたことが背景にあります。

 

ギリシャ彫刻の素材

彫刻の材料として使われたのは木・石灰岩・大理石・ブロンズ・テラコッタ・黄金・象牙(ぞうげ)・鉄などです。このうち石、テラコッタなどは非常に保存性が高く、現代でも原型をとどめ残っているのは、これらの素材で作られた造形物です。

 

ギリシャ彫刻の発展史

古代ギリシャ彫刻の発展史はアルカイック期/クラシック期/ヘレニズム期の3期に分けられます。各期の作品に見られた特徴は以下の通りです。

 

アルカイック期(前8世紀〜前5世紀)

アルカイックとは「太古」「始まり」を意味します。初期の古代ギリシャ彫刻はエジプトの影響を強く受けており、両手を腰に当て直立した状態の左右対称のものが目立ちます。(代表作:青年裸体立像クーロス、女性着衣立像コレーなど)。また顔に「アルカイック・スマイル」と呼ばれる微笑が見られるのも特徴です。

 

クラシック期(前5世紀〜前3世紀)

アルカイック期の左右対称の特徴は消えていき、自然体を重視した、動きを感じさせる非対称の造形が目立つようになります。古代ギリシャの象徴的建造物パルテノン神殿もこの時期に作られ、凸型や湾曲を意識した彫刻が神殿全体に彫られました。

 

ヘレニズム期(前3世紀〜後1世紀)

マケドニア王国の伸張にともない、古代ギリシャ文化が東方広くへ浸透した時代です。小アジア、シリア、エジプトなどのオリエント文化と古代ギリシャ文化が融合したヘレニズム文化が成立しました。

 

そしてこの時代に古代ギリシャ彫刻も全盛期を迎え、より写実的な造形の作品が増えるようになります。ヘレニズム期の彫刻は、後のルネサンス美術にも影響を与えました。

 
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