カエサルとシーザーの違いとは?
ユリウス・カエサルの名は、Julius Caesar と綴られ、ジュリアス・シーザーと英語読みされることもあります。
ここでは、この二つの名前について少し深掘りしています。
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ユリウス・カエサル
ユリウス・カエサルはJulius Caesarのラテン語読みです。
ユリウスは氏族名、カエサルは家族名で、どちらも個人名ではありませんが、現代では基本的には共和政ローマの終身独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルのことを指します。
後にアウグストゥスが帝政を開始したのち、ローマ皇帝が代々「カエサル」の家名を受け継いだことから、「カエサル」はローマ皇帝、または次期皇帝を表すようになりました。
さらに後に、ローマの専制君主制の中で、「カエサル」は正帝を補佐する副帝のことを指す言葉として使われるようになりました。
この影響を受けて、ドイツ語のカイザー、ロシア語のツァーリ、トルコ語のカイセル、アラビア語のカイサルなど、「皇帝」を意味するたくさんの言葉が生まれました。
ジュリアス・シーザー
ジュリアス・シーザーという呼び方は、イギリスの偉大な劇作家シェイクスピアの書いた悲劇によって定着しました。
シェイクスピアはローマ史を題材にいくつか劇を書いていますが、「ジュリアス・シーザー」は、カエサルとその友人ブルータスを中心にして、人々が裏切り合う心の動きを描いた、シェイクスピアらしい悲劇の名作です。
シーザーとカエサル、今日では、人名や地名などの固有名詞は現地の呼び方に近づけて表記されることが多くなっているため、「カエサル」という言葉を使われることのほうが多くなっています。