ノートルダム大聖堂が焼失・・・再建したその建築物の価値は?

ノートルダム大聖堂が焼失・・・再建したその建築物の価値は?

再建中のノートルダム大聖堂(UnsplashChris Linnettが撮影した写真)

 

ノートルダム大聖堂の2019年の火災は、多くの人々にとって悲しい出来事でした。このような歴史的建築物の損失は、文化遺産や世界史においても大きな打撃となります。現在再建が行われていますが、それを聞いて「それってもはや歴史的建築物ではなくなるのでは?」という意見がみられます。

 

この意見についてですが、ノートルダム大聖堂を0から建て直すという事について、以下の点を考慮していくと、必ずしも価値がなくなるという訳でもないんですよ。

 

復元と保存のバランス

歴史的な建造物の復元には常に議論が伴います。オリジナルのまま保存するか、現代の技術や方法で復元・改修するかという選択があります。どちらの方法も歴史的価値を尊重する考えから来ていると言えます。

 

新しい価値

完全に再建すると、当然その建造物はオリジナルとは異なるものになります。しかし、再建の過程やそれに関わる人々のストーリー、そして新しい技術や材料を取り入れた建築としての価値が生まれる可能性もあります。

 

歴史の継続性

完全に同じものを再建することは難しいかもしれませんが、再建された建築物がノートルダムの歴史やその背後にある物語性を継承することは可能です。再建すること自体が、新たな歴史の一部として加わることになります。

 

結論として、0からの建て直しはオリジナルのノートルダム大聖堂とは異なるものになるでしょう。しかし、「歴史的価値」というものは固定的なものではなく、時代や文化、そして人々の価値観によって変わります。再建されたノートルダムも、その歴史や物語、そして人々の心における価値を持ち続けることでしょう。