古代ローマにおける落書きは貴重な史料

 

「落書き」というのは現代社会では違法行為として罰せられることもあるものですが、古い時代に描かれた落書きは、その時代に生きた人々が考えていることや文化を知る上で非常に重要な手がかりになります。

 

古代の落書きからわかること

例えば79年にヴェスヴィオ山の噴火で海港都市ポンペイが丸ごと埋没し、18世紀になり古代の街並みそのままに再発見されていますが、発掘された建物の壁には多くの落書きが残されており、これらは色々なことを伝えてくれます。

 

落書きには剣闘士試合の告知や、政治家への悪口の他、酒場での他愛もない会話や庶民同士の伝言などもあることから、ローマにおける識字率はそれなりに高かったのではないかといわれています。