ヘーゲルとは何をした人?〜『精神現象学』の著者〜

 

ヘーゲルの基本情報

 

本名:ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
誕生:1770年シュトゥットガルト
死没:1831年ベルリン
代表作:『精神現象学』

 

ヘーゲル(1770年 - 1831年)はドイツの哲学者で、ルネサンス以来に登場した哲学を論理学・自然哲学・精神哲学の三部門にまとめあげた功績で知られます。ドイツ南部のシュトゥットガルトの裕福な家に生まれ、学生時代に勃発したフランス革命の影響で啓蒙主義・自由主義思想に目覚め、旧体制を批判する独自の哲学体系の形成に取り組み始めました。そして1806年のナポレオン戦争の渦中、最初の哲学書で代表作の『精神現象学』を完成させたのです。

 

 

ヘーゲルの功績

西洋哲学を完成させる

ヘーゲルは西洋哲学(近代哲学)を完成させた人物として知られます。ルネサンス以降の近代思想を、論理学・自然哲学・精神哲学の3部門の哲学体系に分類し、それまでの古典哲学の集大成を行ったのです。

 

弁証法の確立

ヘーゲルは弁証法を確立した功績でも知られています。弁証法とは対立する2つの見解を捨てることなく、さらに優れた見解を見つける手法のこと。例えば寿司を食べたい人とステーキを食べたい人がいるとしたら、寿司屋やステーキ屋を選ぶのではなく、両方揃っているような和風料理店に行くという感じです。対立を回避し妥協点を見つける。現代民主主義において、国民の分断を防ぐために政治家に最も求められる能力といえます。

 

ヘーゲルの思想

ヘーゲルはドイツ観念論(ドイツ理想主義とも)を代表する思想家です。ドイツ観念論とは、自然よりも精神が優位にあるとする立場をとる「自我中心主義」を特色とする思想で、自然主義的・功利主義的な啓蒙主義への対抗として登場し、18世紀後半から19世紀半ばにかけドイツ哲学の潮流になりました。ヘーゲルの他にもフィヒテ、シェリングなどが提唱者として知られ、現代にいたるまで大きな影響を与えています。