大航海時代とは、15世紀から17世紀にかけて、ポルトガルやスペインなどを中心にヨーロッパの冒険家たちが海を渡り、アメリカやアフリカ大陸に上陸していった時代のことです。この時期に、それまで交流のなかった大陸との交流が生まれ、西洋を主体とした世界の一体化が起きました。
ヨーロッパ諸国は、アメリカやアフリカ大陸を発見すると、こぞってその地域を植民地として支配下に置こうとしました。特に貴金属や香辛料の産地の発見は、国を豊かにするのに非常に大きな役割を果たしました。新大陸からの金銀の流入は、ヨーロッパ経済を活性化させ、商業革命を引き起こしました。また、奴隷貿易もヨーロッパに富をもたらし、奴隷の労働力によって、生産力が底上げされました。
ヨーロッパの探検家や宣教師たちは、発見した地域でキリスト教を広め、ヨーロッパ文化を根付かせました。アメリカやアフリカの先住民の人々は、一方的に搾取され虐げられる立場になり、その数は、植民地化前の10%にまで減少したとされています。生き残った人たちも無理やり改宗させられて、奴隷にされるなどした為、アメリカやアフリカの伝統的な文化や生活は破壊され、ヨーロッパ化が急速に進行していきました。
大航海時代は、ヨーロッパとアジア、アメリカ、アフリカとの間に新しい貿易ルートを開きました。これにより、ヨーロッパの市場は世界規模に拡大し、ヨーロッパの産業革命の基盤が築かれました。例えば、香辛料、砂糖、タバコ、コーヒー、茶などの新しい商品がヨーロッパに流入し、消費文化が大きく変化しました。また、三角貿易により、アフリカからアメリカへ奴隷が送られ、アメリカからヨーロッパへ砂糖やタバコが送られ、ヨーロッパからアフリカへ武器や工業製品が送られるという循環が生まれました。
大航海時代には、新しい地理的知識や天文学の発展も促されました。探検家たちは新しい土地を発見し、地図を作成し、航海技術や船舶技術が飛躍的に向上しました。これにより、ヨーロッパは世界の地理に関する知識を大幅に増やし、科学革命の基礎を築きました。
現代も根強く残る、人種差別や民族主義が火種となって起こるもめごとは、この時代の強引な一体化がいまだに尾を引いているという見方もあります。大航海時代の影響は、単なる地理的発見にとどまらず、ヨーロッパと世界の関係を根本から変え、現代の国際社会の形成に大きな影響を与えました。
|
|
|
|