まず個人的にファシズムにメリットなんてないと考えています。
ファシズムというのは「国民が潤うには国家に権力や富が集中する必要がある」と考え、「国民の上位に国があり、国民は国のために存在している」という価値観に立脚しています。
社会的熱狂を生み出し、それを背景に国を強大にすることができるというのが、メリットといえばメリットですが、一国一党独裁を維持するためにあらゆる自由を制限し、反対者への徹底的な弾圧の上に成り立つ「国益」などないと思うからです。
しかし、そういった問題があるにも関わらず、当時の英仏などヨーロッパ列強がファシズムの台頭を許した(宥和政策をとった)理由は、それに見合う「メリット」があると考えたからなんですね。
つまりはファシズムは独裁であると同時に、徹底した反共産主義を包括する思想でもあることから、ソ連の拡大を防ぐ防波堤に利用できると考えたのです。
しかし知っての通り、ヒトラーという怪物を制御できるものと考え、都合よく利用してきたツケは大きすぎました。
ファシズムを反共に利用してきたツケは、第二次世界大戦という未曾有の災禍で払うこととなった。
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