日本で食べられる海外料理の中でも、イタリアンは五指の指に入るのではないでしょうか。フランス料理ほど高くなく、「イタ飯」という略語が定着するくらい、庶民的かつカジュアルな店が多いので、気軽に入れるというのも大きいでしょう。
しかしそんなイタリア料理は、日本に一体いつもたらされ、いつからこれほど身近な存在となったのでしょうか。
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1881年、新潟県でピエトロ・ミリオーレが創立した「イタリア軒」が日本初のイタリアンレストランとされますが、本格的な広まりを見せたのは、戦後の話です。終戦と共に、日本に残されたイタリア人が、各地でレストランを創業し、大勢の日本人にイタリアンという存在を知らしめたのです。
そして戦後からしばらくたった1960年、それまでイタリア人が経営するレストランが主流だった中、日本人が初めてイタリアンレストランを開業しています。
1980年代から90年代にかけては、日本に「イタ飯」ブームが到来しました。80年代といえばバブルがありましたが、当時のイケイケの雰囲気と、イタリアンの賑やかなイメージの親和性が高かったことも後押しとなりました。
フレンチにはない「ラフなスタイル」が若者やファミリーに受け、老若男女に親しまれる料理文化として、一世を風靡したのです。
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