11世紀から始まる十字軍遠征と、14世紀から始まるルネサンスには、実はとても深い関係にあります。十字軍遠征が、ヨーロッパ、とりわけルネサンスの中心地イタリアに、どのような変化をもたらしたのか考えてみましょう。
宗教的には大失敗に終わった十字軍遠征ですが、商業的にはヨーロッパに思わぬ功をもたらしました。
十字軍遠征を繰り返すうちに、東方との交易路が開拓され、地中海を介した東方オリエント世界との交易「東方貿易(レヴァント貿易)」が活発化したのです。
東方貿易の交易品
東方オリエントからはヨーロッパへは香辛料・絹織物・染料・宝石など、ヨーロッパから東方オリエントへは毛織物や銀、木材などが送られていました。
これにより、遠征の中継地とされていたイタリア諸都市(ヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサ、アマルフィなど)は、東方貿易の一大拠点として繁栄し、ルネサンスを起こす下地を整えていったというわけです。
ルネサンス期を象徴する絵画作品『アテナイの学堂』
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