ブルターニュの郷土料理の特徴とは?

ブルターニュ地方は、フランス最北西の、英仏海峡と大西洋に面した半島部分。フランスの数ある郷土料理の中でも、この地方のものは特に有名ですが、沿岸部は「海の国」、内陸部は「森の国」と呼ばれる通り、ブルターニュ内でもまた、風土に応じた食文化の違いがあるのです。

 

 

沿岸部の郷土料理の特徴

ブルターニュ地方の沿岸部は、サバ、スズキ、イワシ、ポラック、カキ、ホタテ貝、ムール貝、オマールなど、様々な魚介類に恵まれる海の幸の宝庫です。ブルターニュ名物は「海の幸の盛り合わせ」。

 

ブルターニュ地方で頻繁に使われる白インゲン豆

 

また、沿岸の穏やかな気候で、野菜の産出もさかんですが、中でも白インゲン豆は有名で、料理に「ブルターニュ風」とつくと、大抵、白インゲン豆が付け合わせられています。

 

内陸部の郷土料理の特徴

ブルターニュ地方内陸部は、寒冷な気候と日照時間も少なく痩せた土地。育てられる作物は限定されますが、12世紀頃、アジアからブルターニュの気候でも元気に育つソバがもたらされて以来、蕎麦粉を使った料理がこの地方を代表するものとなっています。

 

フランス菓子で屈指の人気を誇るクレープというのは、実はブルターニュで蕎麦粉を使って作られた、ガレットと呼ばれるパンケーキが起源なのです。

 

加工食品の生産がさかん

ブルターニュには、養豚農家や加工場が集中し、アンドゥイユ(豚の腸詰め)、田舎風パテ、ブーダン(ブラッドソーセージ)などの加工食品の種類も豊富です。

 

ブルターニュの代表的な料理

スープ

  • コトリヤード・ブルトン:アナゴや数種類の魚と、ジャガイモ、玉ねぎとハーブ。ブルターニュの典型的な魚スープ。
  • ブルターニュ風ポテ:豚の肩肉とバラ肉、ソーセージと玉ねぎ、人参、ポワロー、キャベツと煮込んだスープ

 

魚介料理

  • オマールのアルモリカ風:アメリケーヌの元祖になった料理。
  • ホタテ貝のブルターニュ風:エシャロットと玉ねぎ、ホタテ貝柱を使ったオーヴン焼き

 

肉料理

  • キッカ・ファルス:ファルス(そば粉と牛乳、卵、ラードなどをまぜたもの)を布で包み、ポトフのように煮込んだ牛すね肉と豚バラ肉、野菜の煮込み料理
  • ブルターニュ風ポトフ(キ・ア・ファルツ):牛の肩ロースや膝肉、塩つけの豚バラ肉にポロネギなどを加えた煮込み料理

 

デザート

  • クイニー・アマン:クロワッサン生地にバターと砂糖を折り込んだ、この地方では最も古い焼き菓子
  • そば粉のガレット:ブルターニュならではの代表的な料理。塩味の具がはいった、食事用。
  • ブルターニュのガレット:ブルターニュ自慢の有塩バターをたっぷりつかったビスケット