古代ローマの公共広場フォルムとは?

 

古代ローマの都市には、「フォルム」と呼ばれる市民の政治経済活動の中心地的公共空間(オープンスペース)が存在しました。中でもローマの四つの丘(カピトリヌス,パラティヌス,クイリナリス,エスクイリヌス)に囲まれたフォロ・ロマーノは、共和政時代に国家の政治経済的中心地として整備された、ローマ時代最古の遺構として知られます。

 

フォルムの役割

フォルムは、神殿や商用施設、バシリカ、コミティウム(公開会議スペース)、クーリア(元老院)などが設置され、周囲をコロネード(列柱廊)が取り囲むのが基本的な形態でした。とりわけローマが最も飛躍的な成長を遂げた共和政期には重要や役割を果たし、市民はここに集まり、民会や裁判に参加していました。逆に帝政時代に入ると公共建造物が次々と建てられるようになり、市民が集まる広場という役目を失っていきました。

 

アゴラとの違い

古代ギリシアにおけるアゴラに相当しますが、異なるのは、フォルムのほうが規模が大きいこと、それとアゴラが自然の地形を利用して作られたのに対し、フォルムは都市化の進展とともに長方形(比率は3対2)に整備された空間であったという点です。