大英帝国軍事力を支えた二国標準主義とは?

大英帝国時代のイギリスの国力を支えたのは、圧倒的な海軍力でした。というのも、大英帝国が事実上終焉する第一次世界大戦以前のイギリスは、二国標準主義というものを採用していました。これは「最低でも、第二位の国と第三位の国の海軍力を足した以上の海軍力を持つ」という考え方です。

 

机上の空論と思われるかもしれませんが、産業革命を経て「世界の工場」と呼ばれるほどの生産力を有していたイギリスには実現可能なことでした。これだけで当時のイギリスがいかに強大な軍事力(海軍力)を有していたかわかると思います。

 

イギリス海軍がフランス帝国海軍を撃破したトラファルガーの海戦(ナポレオン戦争中の戦いの一つ)。ナポレオンのイギリス本土侵攻を阻止した、イギリス海軍史上屈指の偉業として知られる。

 

海軍力というのはすなわちシーパワーのことであり、強大な海軍力を持てば持つほど、海上交易において優位にたてることになります。いくら強大な生産力をもっていても、それを海運を通して世界に輸出できねば意味がないので、イギリスの繁栄と海軍力は切っても切り離せない関係にあります。