ヨーロッパの政治

ヨーロッパの政治

政治は英語で「politics」といい、これは古代ギリシアの都市国家ポリス(polis)に由来しています。ギリシアポリス社会の繁栄とともに、民主主義やその他様々な政治理論の基礎が生み出されたことから、ポリスは現代政治の源流とされています。

 

 

 

強制力と義務

政治とは、主権者が立法・司法・行政などを通じて領土と人民を治める(統治する)ことです。統治下にある人民を(主に刑罰を背景として)その意思に関わらず従わせる「強制力」を備える一方、制度の不備を正したり、人民がよりよい共同生活を遅れるよう環境を整える「義務」を仕組みでもあります。

 

闘争

政治には絶対的な解がない以上、どうしてもギャンブル的な要素があり、為政者には決断が求められます。その過程で生まれるのが、価値や理想、目標や手段をめぐる闘い「政治闘争」であり、しばしばヨーロッパの歴史を塗り替えてきたのです。

 

システム

政治は社会からの要求をインプットして、政府が要求を満たすプログラムを出力する「システム」としてみることもできます。社会は出力されたプログラムに対しフィードバックを行い、再び要求・評価などの入力を行います。その繰り返しで社会と政治は相互に時間をかけて改良されていくのです。

 

 

 

欧州政治史

世界中で採用されている政党制や代表制は近代ヨーロッパで確立されたものです。産業革命を背景とした発展により、ヨーロッパが世界をリードするようになると、ヨーロッパの政治制度は世界中でモデルにされ、工業化に並び「近代化」の構成要件の1つとされるようになりました。そのためヨーロッパの政治史は日本や世界の歴史にも大きな影響を与えているのです。

 

政治的多様化

ヨーロッパでは国民国家成立以降、それぞれの国が外界からの干渉を受けない独自の政策方針を志向できるようになりました。この政治的多様化により、帝国主義的な抑圧の時代に終止符が打たれた一方、異なる政治共同体の争いが激化する「戦争の世紀」の幕が明けました。そして第一次世界大戦第二次世界大戦を経てヨーロッパは衰退し、世界政治の牽引役はアメリカソ連に引き継がれることになったのです。

 

政治的分裂

アメリカとソ連の覇権争いの中で、ヨーロッパは西ヨーロッパを中心とする資本主義諸国と、東ヨーロッパを中心とする社会主義諸国に政治的に分裂し、西ヨーロッパは再起のために欧州連合(EU)という政治共同体を結成します。そして89年に始まる東欧革命とその余波によるソ連崩壊により、半世紀近く続いた政治分裂は解消され、ヨーロッパは本格的に政治統合に舵を切るようになるのです。