イギリス革命は清教徒革命(1640〜60年)と名誉革命(1688〜89年)の総称で、共に当時の絶対王政(ステュアート朝)への反抗に端を発し始められた市民革命です。
一方、フランス革命(1789〜99年)についても、イギリス革命よりだいぶ後に起こりましたが、絶対王政(ブルボン朝)への反抗に端を発し始められた市民革命です。
いずれの革命も従来の体制を揺るがす画期的な出来事であり、国内にとどまらず、ヨーロッパ全域に影響を与えていますが、両革命を比較し、違いや共通点にも着目してみることで、具体的な影響がよりはっきり見えてきます。
|
|
|
|
二つの革命は絶対王政への不満に起点を持つということでは共通していますが、結果をみると実は結構な差があります。
イギリスは、最初の清教徒革命後に共和政が実現したものの、指導者クロムウェルの独裁政治を経て、反動で王政復古を招きました。その後、名誉革命下で再び王を招き、立憲君主制を成立させています。
フランスはフランス革命で王政を打倒し、共和政を実現させましたが、ロベスピエールの「恐怖政治」以来社会が不安定化し、ナポレオンがクーデターにより軍事独裁政権(フランス第一帝政)を樹立させました。
イギリス革命で活躍したクロムウェル(1599〜1658、左図人物)とフランス革命で活躍したナポレオン(1769〜1821、右図人物)。生きた時代こそ違うが、共に共和派屈指の名将として活躍し、革命を完成に導いた。
フランス革命は、イギリス革命によって誕生した「社会契約説」や「革命権・抵抗権」などといった、いわゆる啓蒙思想がフランス人の人権思想を刺激し、革命へと導いたという点が非常に重要です。
ヨーロッパにおける啓蒙思想の発展が、人々に人権や自由を与え、結果として社会変革を引き起こしたことを知っておきましょう。
イギリス革命とフランス革命は、多くの共通点を持っています。以下にその主なものを挙げます。
イギリス革命とフランス革命の両方で、絶対君主制への反発が重要な引き金となりました。イギリスでは、チャールズ1世の権力強化に対して議会が反発しました。同様に、フランスでは、ルイ16世の絶対君主制に対する不満が広範な社会的変革の引き金となりました。
イギリス革命とフランス革命の結果、両国ともに議会や国民の権力が確立されました。イギリスでは、立憲君主制が確立し、議会の権力が増大しました。一方のフランスでは、革命後に制定された憲法により、国民主権が確認されました。
イギリス革命とフランス革命は、それぞれ他国に大きな影響を与えました。イギリス革命は、フランス革命への道筋をつけました。また、フランス革命は、その後のヨーロッパ全体の政治風土に影響を与え、ナポレオンによる大陸全体の改革へとつながりました。
イギリス革命とフランス革命は、絶対君主制への反発、議会や国民の権力の確立、そして他国への大きな影響という共通点を持つ重要な歴史的事件です。これらの共通点は、これら二つの革命がヨーロッパ全体の歴史にどのように深く関わっているかを示しています。
|
|
|
|