
トルコの国土
ユーラシアの接点に位置し、ヨーロッパとアジアの文化が交錯するトルコ。この国の地理を語るうえで欠かせないのが、そのユニークな位置関係と、ダイナミックな自然の多様性です。ボスポラス海峡を境に大陸をまたぎ、山と海と台地が共存する風土は、古代から数々の文明を育み、現代の地政学的にも非常に重要な舞台となっています。今回は、そんなトルコの地理的特徴について、わかりやすくかみ砕いて解説します。
トルコの地形は、海・山・高原が折り重なる複雑さが特徴です。場所によって風景がガラリと変わるんですよ。
トルコの国土の大部分を占めるのがアナトリア高原。標高1,000メートル前後の内陸高地で、乾燥した気候と広大なステップが広がっています。この高原が、トルコの「背骨」ともいえる存在なんです。
アナトリア高原の周囲にはトーラス山脈(南)やポンティック山脈(北)といった険しい山々がそびえています。また東部にはアララト山(標高5,137メートル)といった高山もあり、火山地帯も点在。地震が多いのもこの地形によるものです。
三方を海に囲まれながらも、地域によってまったく異なる気候が見られるのがトルコの大きな魅力でもあります。
エーゲ海沿岸や地中海沿岸では地中海性気候が支配的で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が多くなります。この気候がオリーブや柑橘類の栽培を支えてきたんですね。
一方、アナトリア高原を中心とする内陸部では、大陸性気候の影響を強く受け、冬は氷点下に、夏は40℃近くになる地域も。降水量も少なく、乾いた風土が広がっています。
トルコは自然環境の宝庫でもあります。山、川、湖、海といった資源がぎゅっと詰まっているんです。
トルコにはユーフラテス川やチグリス川の源流があり、中東全体の水資源にも深く関わっています。またヴァン湖のような内陸湖もあり、火山や断層によって生まれた地形が随所に見られます。
トルコは3つの異なる気候帯(地中海性、温帯海洋性、大陸性)にまたがっているため、植物・動物の多様性が非常に豊か。世界的にも希少な動植物が生息しており、いくつもの国立公園や自然保護区が設けられているんです。
このように、トルコの地理は「アジアとヨーロッパの交差点」であるというだけでなく、山と海、高原と川、乾燥と湿潤が入り混じった“地理のモザイク”といえるもの。こうした自然の多様性こそが、トルコの歴史と文化を育んできた大きな土台なのです。
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