スウェーデン王国は古くから、北欧屈指の国力を誇り、17世紀には一時的にヨーロッパ列強の一角として、高い国際的地位を維持していました。その後も自国の中立性を重視したことで、戦争などによる過度な没落も経験せず、18世紀初頭に全体主義的な体制から自由主義的に移行しています。この深い歴史の背景を持つスウェーデンの政治体制を、以下の観点から詳しく見ていきましょう。

 

 

 

 

憲法と国家元首

スウェーデンは立憲君主制国家です。1979年の憲法改正により、儀礼的国家元首制、つまり国家元首である国王は象徴的な地位にあると定めています。立法、行政、司法の三権分立が明確に定められており、国王の権力は主に儀礼的なものに限られているのですね。

 

行政

スウェーデンの行政権は政府にあり、首相が政府を率いています。首相は議会の信任に基づいて国王によって任命され、その他の閣僚も首相の推薦により国王によって任命されます。

 

立法

立法権は一院制のスウェーデン議会（リクスダーゲン）にあります。議会は349議席からなり、議員は4年ごとの比例代表制による選挙で選ばれます。

 

政党

スウェーデンの政治は多党制で、左派から右派まで幅広い政治思想を代表する複数の政党が存在します。社会民主労働党が長年にわたり政界をリードしてきましたが、中道右派の連立もしばしば政権を握っています。

 

司法

スウェーデンの司法権は独立しており、最高裁判所が最終的な判決を下します。裁判官の任命は議会が行います。

 

地方自治

スウェーデンは地方自治が高度に発達しており、21の県と290の市町村が存在します。これらの地方公共団体は、社会福祉、教育、公共交通などの分野で広範な権限を有しています。

 

選挙制度

スウェーデンでは18歳以上の市民に普通選挙権が与えられており、投票率は非常に高いです。議会選挙は4年ごとに行われ、比例代表制により議席が配分されます。