スラヴ神話に登場する「竜(ドラゴン)」とは?
スラヴ神話に登場する「竜(ドラゴン)」とは、ズメイのことです。
ズメイはスラヴ神話に限らず東欧、中欧を代表するドラゴンであり、地方によってバリエーションが豊富なスラヴ神話では、様々な性質を持った存在として描かれています。
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ロシアやベラルーシ、ウクライナにおけるズメイ
ロシアやベラルーシ、ウクライナにおいて言い伝えられるズメイは四本の足を持つ獣で、しばしば金や食糧のために小さな町や村を襲う悪者という位置づけです。
そう高くはないものの知性もあり、3〜7つある頭は、たとえ切り落としたとしても、その切り口を火であぶらなければ復活するとされています。
また、ドラゴンの血はとても有毒であり、地表にも吸い込まれないと言われています。
バルカン半島におけるズメイ
バルカン半島におけるズメイは、3つの首を持つ姿で表現されることが多く、雌雄があり、人間のように外見や性格に差異が認められるとも言われています。
人間を憎悪するメスのドラゴンは、気候を荒らすため、とりわけ農民には疎まれる存在です。
対してオスは人類に親しみを持っており、作物を守ると守護竜とされており、この性質の違いは水と炎で例えられます。
そして2つの性質がバランスを取ることで、さまざまな事象に対しての均衡を保つとされているのです。