アイスランド文学とは、基本的には「アイスランド語で書かれた文学作品」のことです。アイスランドは非常に保守的な言語ゆえに、アイスランド文学の代表的作品である『サーガ』、『古エッダ』、『スノッリのエッダ』などは、北欧神話、ゲルマン神話の根本史料として価値が高いのです。
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アイスランドは、人口数十万と小さな国ながら、これまで数多くの文豪を輩出しています。アイスランドは北極圏内に位置する寒さが非常に厳しい国なので、昔から外で遊ぶより、屋内で読書や詩にふける人が主流でした。このような環境が創造性を養い、名作家の誕生に繋がったのでしょう。
中世アイスランドで成立した『サガ』は、実際に起きた歴史的事実を題材にした散文作品で、主に北欧の歴史研究の重要な情報源になっています。アイスランド語は、中世の古ノルド語からほとんど形を変えていないので、語学研究においてもアイスランド語の文学作品は重宝されているのです。アイスランド人は、『エッダ』などの古ノルド語で書かれた中世の文学も、さほど苦がなく読めるといいます
アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンは、1222年頃『エッダ』を執筆。アイスランドやスカンジナビアに伝わる天地創造、神々や巨人の物語の集大成となっており、今や北欧神話やゲルマン神話を読み解く上で必須とされる文学作品になりました。
ロマン主義がアイスランドに到来した19世紀は名作家が次々と誕生しました。トーロッドセン(1818〜1868)はそのうちの1人で、アイスランド語の小説を出版した最初の人物でもあることから、「近代アイスランド小説の父」といわれています。
ハルドール・ラクスネス(1902〜1998)は、20世紀を代表するアイスランド作家の1人です。レイキャビク出身で、17歳でデビュー。以来詩、戯曲、短編小説、長編小説と次々と作品を発表し、1955年にはノーベル文学賞を受賞しました。
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