スウェーデンの移民・難民政策をわかりやすく解説

スウェーデンは北欧諸国の中で移民受け入れには特に寛容な国で、毎年大量の移民を受け入れています20世紀後半以降の人口増加のかなりの部分は移民流入によるもので、大戦期にナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人や戦後共産化した母国から逃れてきた東欧の人々、そのほかにも様々な理由で母国を離れざるを得なくなった人々を受け入れてきたのです。

 

2009年移民の数は10万人を超え過去最高を記録し、2011年の統計によれば、スウェーデンの総人口のおよそ2割が、移民もしくは移民の親を持つ2世や3世とされています。その結果、今やスウェーデンの街は様々なアフリカ系、中東系、ラテン系、東洋系など人種の人々で溢れかえっており、世界の縮図ともいえる状況。当然文化にも大きな影響を与えているので、スウェーデンは移民なしには語れない国なのです。

 

移民受け入れの問題

移民増加にともない格差が年々上昇しており、「移民保護のために福祉が犠牲になっている」として、移民受け入れに対する反発は年々高まっています。そんな世論を追い風として、移民排斥を掲げる政党が躍進し、2022年には移民政策見直しを掲げる中道右派政権が発足しています

 

2013年には警察官による移民射殺事件が置き、全国で抗議・暴動が発生しています。移民政策をどう転換するにせよ、移民と現地人の対立の解消や融和が今後の政府の課題といえるでしょう。