ルネサンスは14世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパで勃興した古典文化復興運動です。ヨーロッパで発祥したルネサンスが、極東の日本に対し、何か直接的に影響したわけではありませんが、間接的には実に様々な影響をおよぼしています。

 

 

ヨーロッパ文化の流入

ルネサンス期の天文学・地理学の発達、羅針盤の発明といった科学的発展は、のちの大航海時代における長距離航海を助けました。そして大航海時代、日本にやってきたヨーロッパ人によって鉄砲がもたらされ、戦国時代の戦術や戦争のあり方を大きく変えました。特に1543年に種子島に漂着したポルトガル人によって鉄砲が日本に伝えられ、その後急速に普及しました。

 

ヨーロッパの技術と知識の導入

16世紀後半には、イエズス会の宣教師たちが日本に渡り、キリスト教の布教活動を行いました。彼らは宗教だけでなく、ヨーロッパの技術や科学知識も日本にもたらしました。これにより、日本の知識人たちは天文学や医学など、ヨーロッパの先進的な科学技術に触れる機会を得ました。

 

キリシタン大名の登場

一部の戦国大名たちはキリスト教に改宗し、キリシタン大名と呼ばれるようになりました。彼らはヨーロッパとの貿易を推進し、領国の経済発展を図りました。これにより、ヨーロッパの文化や技術が日本各地に広まりました。特に、南蛮貿易を通じて銀や武器、医薬品などが輸入され、日本の経済や技術革新に寄与しました。

 

ヨーロッパをモデルにした社会改革

ルネサンス期の科学的発展は、産業革命を支え、ヨーロッパが世界をリードする原動力となりました。明治時代になると、日本はヨーロッパの先進国をモデルにして、法律・制度・政治・生活様式・生産様式の改革を行いました。これにより、日本は急速に近代化し、産業国としての基盤を築きました。

 

影響を受けた文化と芸術

ルネサンス期のヨーロッパの美術や建築の影響も、日本に伝わりました。特に南蛮文化として知られるヨーロッパ文化の影響を受けた工芸品や絵画が生まれ、日本の美術や工芸にも新たな風をもたらしました。南蛮屏風や南蛮漆器などがその代表例です。