古代ギリシアの劇場の特徴

古代ギリシアの劇場

古代ギリシアの劇場は宗教儀式と娯楽が融合した公共空間で、アテネのディオニュソス劇場が代表的である。円形の座席配置や優れた音響設計により、多くの市民が演劇を楽しんだ。演劇は政治や哲学の議論の場ともなった。本ページでは、このあたりの歴史的背景とヨーロッパ文化との関連について詳しく掘り下げていく。

古代ギリシアの劇場の特徴

古代ギリシアの円形劇場


古代ギリシアでは演劇文化がさかんで、とりわけアテナイではディオニュソス神を敬うディオニューシア祭の一部として演劇が公的な行事として制度化されていました。劇場は自然の斜面を利用して作られたアリーナ型の円型劇場で、舞台のプロスケニオン(proskenion)、観客席テアトロン (theatron)、背後の壁「スケーネ (skené)」、コロスによる演技が行われる「オルケストラorchestra」などで構成されていました。


劇場の構成

オルケストラ(orchestra)

コロスによる演技が行われる舞台です。ヘレニズム期以降は半円に縮小され、演技の場からゲスト席へと変更されています。合奏団を意味する「オーケストラ」の語源となり、アメリカでは一回の客席を指す言葉にもなっています。


プロスケニオン(proskenion)…舞台

テアトロン (theatron)…観客席

スケーネ (skené)…舞台背後の壁