フランス革命が起こる前、フランスはアンシャン・レジームと呼ばれる身分制度が敷かれ、社会の構成員は第一身分の聖職者、第二身分の貴族、第三身分の市民・農民で構成されていました。
このうち第三身分である農民は人口の大部分を占め、貧農に苦しみながらも国の80%の税金を負担し、王族、貴族、聖職者ら特権階級の豪遊を支える、奴隷同然の生活を強いられていたのです。
1788年の大飢饉で社会不安がピークに達していたこともあり、フランス革命直後(89年7月〜8月)は「大恐怖(グランド・プール)」と呼ばれる農民暴動が全国各地で発生し、領主の屋敷が襲われ、殺害や略奪が横行しました。
バスティーユ牢獄襲撃の報せを受けて、農民たちの間に「貴族や外国人部隊が浮浪者を使って農民を襲撃する」という噂がたち、恐怖に駆られた人々がこのような行動に出たのです。
フランス全土を席巻した、この一種のパニック現象により、アンシャン・レジームの権威は崩壊を余儀なくされ、ブルジョワジーの妥協の結果、封建制の廃止に繋がっていきました。体制を転覆させてしまうほどに、当時の農民たちは追い詰められていたというわけですね。
|
|
|
|