ローマ神話における「勝利の女神」とは?
ローマ神話における「勝利の女神」とは、ウィクトーリアのことです。ギリシャ神話における女神ニーケーに相当しますが、異なる点もあります。
ここでは、ローマ神話における「勝利の女神」、ウィクトーリアについて解説していきます。
このページの内容
ウィクトーリアの来歴
ウィクトーリアは本来、イタリア中部に住んでいたサビニ人が信仰していた、農耕神ヴァクナの流れを汲む女神です。
パラティーノに神殿があり、当時勝利の女神とされていたヴィカ・ポタとも同一視されることもあります。
ローマ人にとっては古くから信仰されていた神であるため、ローマ社会においてはかなり重要な位置を占めていました。
ギリシャ神話の女神、ニーケーとの相違点
同じ勝利の女神でも、ウィクトーリアとニーケーの大きく異なる点は、
ニーケー
→戦車競走など、いわゆる「競技」における勝利の女神とされていた
ウィクトーリア
→「死」や「運命」からの勝利を象徴する存在で、「戦争」における勝利の女神とされていた
といことです。
芸術作品においても、ニーケーは腕が翼になっている姿が一般的ですが、ウィクトーリアは腕も翼もある姿をしており、手には勝利者に捧げる「月桂冠」と、運命の車輪を象った「槍」を持っています。
また技術や学芸を司る女神アテナと行動を共にすることが多かったニーケーに対し、ウィクトーリアは軍神マルスと行動することが多かったとされています。