シチリア料理の特徴とは?〜アラブ料理の影響〜

シチリアの伝統料理クスクス

 

シチリア州(シチリア島)は、イタリアの西南に位置するイタリアの一地方であり、地中海最大の島でもあります。地中海の真ん中に位置するシチリアは、古代から中世にかけ、アラブ世界からの文化流入がさかんに行なわれた場所。そのため例えば、代表的なシチリア料理の1つ「クスクス」が、北アフリカのアラブ料理に起源を持つなど、食文化にもアラブの影響がみられるのです。

 

 

シチリア料理の食材

シチリア料理にはシチリア特有の気候と風土により、以下の食材が使われる傾向にあります。

 

柑橘系の食材

シチリアの典型的な地中海性気候で育つオリーブやワイン、オレンジ(柑橘類)、トマトなどが多用されます。

 

魚介系の食材

シチリアでは漁業がさかんなので、魚介系の料理が多いです。特にシチリア周辺の海域(メッシーナ海峡など)はマグロ漁の一大拠点で、「海の豚」として、マグロのステーキやグリルがお肉感覚で食べられています。

 

マグロは頬肉・眼の周り・内臓・白子・からすみなど、あらゆる部位が食材として使われ、捨てるところがほとんどない、魚介屈指に有用な食糧源なのです。

 

シチリア料理一覧

カポナータ(Caponata)

シチリア伝統のナスの甘酢煮です。ナスをズッキーニ、トマト、ピーマンなどたっぷりの野菜とともに砂糖と酢で煮たもの。ナスは煮る前に1度オリーブ油で揚げるのがポイントです。起源は魚料理であり、当時は高級品だった魚の代用として、ナスを使用し始めたのがカポナータの始まりといわれています。

 

クスクス(Cous-cous)

北アフリカのアラブ世界に起源を持つ小麦料理で、シチリアやナポリで食べられます。粗挽きしたデュラム小麦に水を加えたものをを蒸し器に投入し、香草を入りの水で蒸して作ります。トマトベースの魚介スープに浸して食べる食べ方が好まれます。

 

カンノーロ(Cannolo)

シチリア発祥の伝統菓子です。羊乳製のリコッタ・チーズに砂糖、バニラ、チョコなどを混ぜクリーム状にしたものを、小麦生地で筒状に包み焼いたもの。名前は見た目通り「小さな筒」の意です。生地にココアを混ぜたチョコレート味のカンノーロも人気があります。

 

カッサータ(Cassata)

シチリア発祥のアイスです。チーズ入りのクリームに、ナッツ、アーモンド、ミント、細かく切ったフルーツなどを混ぜたものを、型に入れて冷やし固めて食べます。チーズには主にリコッタチーズが使われます。