ギリシャの政治体制の特徴 ─ 古代民主制と現代共和国

ギリシャの政治体制

ギリシャは古代アテネの民主制の伝統を歴史的背景に持ち、現代では議会制共和国を採用している。政治文化には市民参加や議論重視の価値観が深く根付いている。本ページでは、このような政治体制の仕組みとそれがギリシャの文化・社会・経済へおよぼす影響について詳しく掘り下げていく。

ギリシャの政治体制の特徴 ─ 古代民主制と現代共和国

ギリシャは、古代より「民主制の発祥地」と称され、その歴史は欧州全体、そして世界の政治思想に多大な影響を与えてきました。しかし、近代のギリシャ政治はオスマン帝国の支配からの独立、二度の世界大戦、軍事政権、そして経済危機など、多くの困難を乗り越えてきました。現在では、議院内閣制を採用する民主主義国家として、ヨーロッパ政治において重要な役割を担っています。




憲法

ギリシャの現行憲法は1975年に制定されたもので、この憲法により、ギリシャは議院内閣制を採用を宣言しています。


国家元首

国家元首である大統領は、主に象徴的な地位にあり、ギリシャ議会により選ばれます。


行政

行政権は首相と内閣にあります。首相は通常、議会の多数派を構成する政党または政党連合のリーダーから選ばれます。


立法

立法権は一院制の議会、すなわちギリシャ議会(ヴォウリ)にあります。全議員は直接選挙で選ばれます。


政党

ギリシャの政治は多党制で、中道右派の新民主主義党と中道左派の全ギリシャ社会主義運動(パソク)が主要な政党です。しかし、経済危機以降、新興の急進左翼連合(シリザ)や極右の黄金の夜明けなど、新たな政党も台頭しています。


司法

ギリシャの司法は独立した機関であり、最高裁判所が最終審判決を下します。


地方自治

地方自治は13のペリフェリア(地方)と、それを更に細分化した地方自治体によって行われています。


選挙制度

ギリシャの選挙制度は、比例代表制と単純小選挙区制が混在しています。


ギリシャの政治体制は、民主主義の発祥地であるという歴史を持ちつつも、近代以降は数々の試練を経験してきました。現在では、一院制の議会、首相と内閣による行政、地方自治といった、欧州の伝統的な民主主義の要素を保持しつつも、政党の多様化や選挙制度の混在といった特徴を持つ、独自の政治体制を形成しています。