トマス・アクィナスとは何をした人?〜スコラ学の大成〜

トマス・アクィナス(カルロ・クリヴェッリ画)

 

トマス・アクィナスの基本情報

 

生年:1225年頃
没年:1274年
出身:シチリア王国
死没地:シチリア王国
別名:「天使的博士」「シチリアの唖牛」
功績:スコラ学(哲学)の大成

 

トマス・アクィナス(1225年頃 - 1274年)は中世のスコラ神学者で、『神学大全』の著者として知られる人物です。別名「天使的博士」。シチリア王国の貴族の家に生まれ、幼少期は修道院、青年期はナポリ大学で過ごし、1252年、恩師アルベルトゥスの推薦でパリ教授に就任。教授として過ごした3年間に『有と本質について』や『真理について』などを著作し、辞任後10年間は教皇庁とドミニコ会の学校で教育と著作に没頭しました。彼は寡黙で体が大きかったことから「シチリアの唖牛(あぎゅう)」という通り名で呼ばれていたそうです。

 

トマス・アクィナスの思想

トマス・アクィナスは、ネオプラトニズムの影響を受けつつ、キリスト教思想とアリストテレス哲学の融合により、独自の解釈で「存在」(エッセ)をとらえたことで知られます。この思想は「トマス主義(トミズム)」と呼ばれ、トマスの死後異端とされ衰退しましたが、16世紀以降、カトリック思想家により復興の兆しを見せ、16世紀半ばの対抗宗教改革の中で再評価。後世の神学・哲学・法学に大きな影響を与えました。