ギリシャ神話における「戦いの女神」とは?

ルネ=アントワーヌ・ウアス作『アテーナーの誕生』

 

昔から大きな文明には戦争がつきものでした。そして古代文明の中でも一際戦争が多かったギリシャですから、ギリシア神話の中には戦の神や武器そのものの神などが数多く存在します。中でも戦の神アテナは有名です。

 

 

 

アテナの特徴

アテナは戦争だけでなく、知恵、学芸、工芸を司る女神として知られます。人々の守護神であると同時に、神々の守護神でもあり、英雄たちを危機から救ったり、恩恵を与えたりするのです。戦の時は勝利の女神ニケを従えて英雄を導き助けますが、平和な時には人々に様々な知恵・学芸・工芸を授け、生活を支えてくれるのです。

 

アテナの逸話

ゼウスの頭から生まれた

妻メティスを妊娠させたゼウスは、「生まれてくる子に権威を奪われる」という予言を受け、妻を飲み込んでしまいます。するとゼウスは頭痛に苦しむようになり、斧で頭を割ると、成人して武装したアテナが生まれてきたといわれています。

 

海の神ポセイドンとの争い

アテナは海の神ポセイドンと、アッティカ地方の領有をかけて争ったと伝えられます。「人々により恵みをもたした方が勝利」というルールで争われ、海水の湧き出る泉を人々に与えたポセイドンに、オリーブの木を人々に与えたアテナが勝利したといわれています。

 

アテネにあるオリンピック競技場では4年に一度守護神アテネのための祭典や競技が盛大に行われ、優勝者には上述のエピソードにちなんでオリーブ油を入れた壺が授与されていたそうです。