トリスタンとは何をした人?〜ピクト人の伝承が起源〜

『トリスタンとイゾルデ』 ジョン・ダンカン画

 

トリスタンの基本情報

 

別称:トリストラム
職業:円卓の騎士
民族:ピクト人
伝承地:イギリス
成立時期:12世紀
登場作品:『トリスタンとイゾルデ』『アーサー王物語』

 

トリスタンは、ケルトの伝承に伝わる伝説的人物で、主に『トリスタンとイゾルデ』や『アーサー王物語』の登場人物として有名です。「トリスタン」という名前はケルト人一派のピクト系の名前であり、トリスタンはピクト人の伝承が起源であると考えられています。『アーサー王物語』では「円卓の騎士」の1人、かつアイルランド王マルクの甥で、竜退治で名をはせた人物として描かれ、またアイルランド女王イゾルデと恋に落ちる悲恋劇『トリスタンとイゾルデ』も有名です。

 

 

トリスタンの登場する作品

『トリスタンとイゾルデ』

騎士トリスタンと主君マルク王の妃の悲恋を描いた物語。ケルトの説話に起源を持ち、12世紀にフランスで韻文の物語としてまとめられた。

 

『散文のトリスタン』

13世紀に成立したフランスの散文作品。アーサー王の宮廷を舞台にトリスタンの生い立ちを語るもので、『トリスタンとイゾルデ』を壮大なロマンスに進化させている。

 

『アーサー王物語』

ブリテン王アーサーを主人公にした中世の騎士道物語。トリスタンはアイルランド王マルクの甥で、「円卓の騎士」の1人として登場する。

 

円卓の騎士とは
『アーサー王物語』において、アーサー王の座る円卓に同席することを許された騎士達のこと。トリスタンがここに列席するという形で、もともとは独立していた『トリスタンとイゾルデ』が『アーサー王物語』に組みこまれた。