デンマークの政治の歴史は、古代の覇権主義的な王国から現代の先進的な福祉国家に至るまで、非常に多様で複雑な要素で成り立っています。しかし多くの挑戦と変遷を経験したからこそ、現在では世界的に尊重される安定した民主国家となっているわけです。ここではそんなデンマークの政治史を振り返ってみましょう。

 

 

 

 

中世デンマーク

デンマークの政治史は中世にまで遡ることができます。とりわけヴァイキング時代のデンマーク王国は、北海の覇権を握る北欧屈指の強国として知られていました。。デンマーク系ヴァイキングの航海は、北欧から西欧、東欧、南欧まで広範囲に及び、各地の歴史や文化に影響を与えています。

 

カルマル同盟

14世紀末から16世紀初頭にかけて、デンマーク、スウェーデン、およびノルウェーはカルマル同盟という同盟を結び、一時的に統一国家を形成しています。しかし、この同盟はしばしば内紛に見舞われ、1523年にはスウェーデンが脱退したことで解体に至りました。（以後はデンマーク＝ノルウェー二重王国に）

 

絶対王政の時代

17世紀から18世紀にかけて、デンマーク王国は絶対王政を推進した為、王が立法、行政、裁判権の全てを掌握していました。しかし、この政体は19世紀に終わりを迎え、デンマークは立憲君主制へと移行していきました。

 

立憲君主制への移行

1849年に、新憲法が制定され、デンマークは立憲君主制に移行しました。これにより、国王の権力は制限され、議会の役割が強化されました。現在に続くデンマーク民主政治の基盤がここに作られたのです。

 

第二次世界大戦と戦後

第二次世界大戦では、デンマークは最初は中立を保とうとしましたが、1940年にドイツに占領されてしまいました。

 

戦後、デンマークは再び独立を回復し、積極的に国際社会に参加するようになりました。1949年にNATOに、1973年には欧州共同体（現在のEU）に加盟するといった、国際社会に向けた動きは、デンマークの現代的な政治の枠組みを形成するための重要な一歩となったのです。