リバプールの歴史

リバプールの街並み

 

リバプールはイングランド中北部、ロンドンの北西約300qに位置する、アイリッシュ海に面する港湾都市です。。リバプール大学をはじめとする高等教育機関・博物館・図書館・劇場など由緒ある施設が多くあり、市街地は“近代港湾都市の遺構”として世界遺産にも登録されています。また20世紀を代表する音楽グループ・ビートルズ結成の地として知られ、解散から50年以上たった今なお世界中のファンが聖地巡礼に訪れています。

 

 

港町として発展

13世紀以降、アイルランドとの交易が活発化し、繊維・機械の輸出がさかんな港町として栄えはじめました。17世紀には、この地方の主要港だったチェスター港がシルトの堆積で浅くなってしまったため、相対的にリバプールの重要性が増し、さらなる繁栄を享受するようになります。

 

三角貿易で繁栄

同時に三角貿易で西インド諸島との交易が活発に行われるようになり、港湾や工業施設などインフラ設備が充実。アフリカ人奴隷を商品にした奴隷貿易が都市に莫大な利益を生み出しました。三角貿易を背景にした発展と、飢饉による18世紀半ばからのアイルランド人移民の流入もあり、リバプールの人口は急増していきました。

 

産業革命で世界最大の絹輸出港に

18世紀後半には、同時期起こった産業革命を受け木綿工業が勃興し、世界最大の絹輸出港になりました。さらに19世紀、蒸気機関の発明で蒸気船による交易が活発になると、イギリス海上貿易の最大拠点として繁栄の頂点を極めるようになるのです。第二次世界大戦後、イギリス帝国の崩壊とともに全盛期ほど海上貿易の利益は得られなくなりますが、代わりに自動車、機械工業がさかんになり、現在もイギリス経済を支える重要な存在となっています。