ウルバヌス2世(1042年 - 1099年)はフランス出身のローマ教皇で、第一回十字軍遠征を呼びかけた教皇として知られます。グレゴリウス7世のもと枢機卿を務めたのち、1088年に教皇位を継承。就任後はハインリヒ4世との叙任権闘争を引き継ぎ、教皇権の強化に努めました。
そして彼がクレルモン公会議にて呼びかけた、エルサレム奪還を目指す第一回十字軍遠征(1096年)は大成功と終わり、国王・諸侯・民衆からの幅広い支持を得て教皇権は頂点に達したのです。
ウルバヌス2世といえば、第一回十字軍遠征を呼びかけた人物として知られますが、その十字軍発動を宣言した場がクレルモン公会議です。フランス中部に位置する現クレルモン・フェラン市で開かれた会議で、会議にはヨーロッパの司教約300人が集まりました。
会議そのものの目的はあくまで聖職売買の禁止や叙任権奪回など教会改革に関するものでしたが、ウルバヌス2世はその中で、イスラム教徒の西進により中東のキリスト教国家の危機的状況を訴え、「キリスト教徒救済」という大義名分を掲げ、全ヨーロッパに遠征参加を呼びかけたのです。
教皇の大演説を受けて、集まった1000人の聴衆は心打たれ、「いますぐエルサレムへ!」と高らかに声を上げ、自ら先発隊を組織したといわれています。
|
|
|
|