ファシズムの起源

ファシズムは第一次大戦後に、イタリアにて生まれました。なぜイタリアで生まれたのかというと、1919~1920年頃、イタリアは戦後不況の真っ只中であり、労働者によるストライキが相次いでいたことが背景にあります。そんな中で立場を危うくした経営者による、労働者抑圧を求める声が大きくなり、それに応えたファシスト勢力が力を持つようになったのです。

1921年には「ファシスト党」が結成され、保守主義者や資本家の支持を受ける中、1922年、時の政権へのクーデターを断行（ローマ進軍）。その結果、ムッソリーニ率いるファシスト政権が誕生し、1929年には他の全政党を解散して、一党独裁体制を築いてしまいました。

ファシズムの始祖ムッソリーニ

さらにドイツでも、莫大な戦後賠償金と世界恐慌による不況で、ファシズム政党のナチスが力を持ち、1933年には政権を獲得しています。

このようにファシズムは第一次大戦後の社会的混乱と深刻な不況という土壌の中で、急速に育っていったのです。