イタリア軍の歴史

イタリア軍の紋章

 

イタリア共和国は、陸軍・海軍・空軍の3軍に加え、第四の軍といわれる警察軍「カラビニエリ」を保有しています。国防省の管轄下にあり、国防最高評議会と共和国議会の承認を受けた大統領命令を受けて行動します。完全な職業軍人制であり、徴兵制度はありません。(2004年に廃止済み)

 

 

軍事支出

2018年の軍事支出は27,808百万ドルで世界11位、ヨーロッパではドイツに次ぐ5位となっています。

 

徴兵制

もともと徴兵制でしたが2004年に廃止され、現在は職業軍人のみで構成されています。

 

軍の構成

海軍

イタリア海軍(Marina Militare)は、1861年に創設された王立海軍に起源を持ちます。イタリアは伝統的に海洋国家として発展してきたため、海軍の実力は世界屈指です。近代以降はイギリス海軍を手本に急速な技術革新を遂げ、高度な造船技術を獲得しました。

 

現在イタリア海軍は

 

  • 外洋部隊司令部
  • 哨戒部隊
  • 沿岸警備監督司令部
  • 水陸両用戦部隊司令部
  • 潜水艦部隊司令部
  • 掃海部隊司令部

 

という5つの司令部で構成され、幅広い活動を行なっています。

 

陸軍

イタリア陸軍(Esercito Italiano)は、サルデーニャ王国時代の王立陸軍に起源を持ちます。近代以降、イタリア統一戦争、植民地戦争、第一次・第二次世界大戦など、数多くの戦争に参戦してきました。現代ではアフガニスタン戦争やイラク戦争にも参戦しています。

 

空軍

イタリア空軍(Aeronautica Militare)は、イタリア王国時代に創設されたイタリア陸軍航空隊を前身とする組織です。1911年の伊土戦争において、世界で初めて航空戦力による地上攻撃を行なった軍隊としても知られます。

 

警察軍(カラビニエリ)

イタリア国家警察軍(Arma dei carabinieri)は、イタリア軍を構成する国家警察(憲兵とも)です。陸海空軍に並ぶ第四の軍。一般の警察と同等の機能に加え、軍隊としての機能も備えているのが特徴です。

 

軍事史

イタリア国軍の元々の名称は「イタリア王立軍」です。1861年にイタリア王国の初代国王であるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世により創設された王立陸軍、王立海軍、1923年に第三代国王であるヴィットーリオ・エマヌエーレ3世に創設された王立空軍。これらが現陸海空軍の前身です。1946年に王制が廃止され、国軍が国防省の管轄となったことで、名称も「イタリア王立軍」から「イタリア軍」に変更になりました。

 

終戦後しばらくはパリ講和条約で活動が厳しく制限されますが、1951年のインド・パキスタン紛争への参戦を皮切りに活動が活発化。冷戦期には国際貢献活動に積極的に従事したほか、近年はアメリカ主導の対テロ戦争への協力も行なっています。

 

年表
  • 1814年 カラビニエリの創設
  • 1859年 イタリア統一戦争(〜66年)
  • 1861年 イタリア王立陸軍・海軍の創設
  • 1911年 伊土戦争
  • 1915年 イタリア空軍の母体「陸軍航空団」が創設
  • 1923年 陸軍航空団がイタリア空軍として独立
  • 1935年 エチオピア侵攻(〜36年)
  • 1939年 アルバニア侵攻
  • 1940年 ギリシャへ侵攻(第二次世界大戦中)
  • 1943年 連合国に幸福
  • 1946年 イタリア共和国軍の創設
  • 1949年 NATOに加盟
  • 1952年 戦闘機F-84とF-86、輸送機C-119をアメリカから提供
  • 1982年 レバノンへの内戦
  • 1990年 湾岸戦争に参加
  • 2004年 徴兵制度の廃止
  • 2015年 F-35の導入