ギリシア神話には神や英雄と戦う怪物がたくさん出てきます。他の神と同じように生まれてきても恐ろしいものも多く神々や英雄と同じくらい有名なものも多いです。
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Ulisse Aldrovandiにより描かれたハーピー(1642年)
ハーピーは半人半鳥、顔から胸までが人間、下半身が鳥の怪物で、容姿は醜い女性か老婆の様な顔をしているといいます。冥府の王ハデスのに従っていて、地下や墓地に住み着いています。ワシの様な鉤爪で食べ物なら何でもすべて食べ漁り、悪臭を放ったりうるさい鳴き声で騒ぎ立て、汚物もまき散らしていくという、何とも不愉快な怪物とされています。
その貪欲な性格のせいか、キリスト教の七つの大罪のうちの強欲の象徴にもされています。元々はクレタ島でつむじ風の死の女神として信仰されていたものだとされ、嵐を神格化した存在だといわれています。
セイレーン
セイレーンは半人半鳥の怪物で、上半身が人間の女性、下半身が鳥の姿をしていると伝えられています。しかしセイレーンといえば半人半鳥というより半人半漁の人魚の姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実際セイレーンは、中世以降、「下半身は鳥ではなく魚の姿」だったと言われ始めますが、これは、ギリシア語では「羽」も「鱗」も同じ言葉であり、またラテン語もpennis(羽)とpinnis(鱗)で一文字違いであることから、時代が下ると伝承が鳥から魚へと変わってしまったのではないかとされています。
セイレーンは、海の岩礁から美しい歌声を発し、それに惹きつけられた船乗りたちを遭難や難破に誘導したとかいわれています。また逆に歌声を聞いた人間が生き残った場合は、セイレーンが死ぬ運命を辿るとも。吟遊詩人ホメロスの叙事詩にもそのことが登場し、死ぬ運命となったセイレーンは海に身を投げ、その死体は海の岩礁の一部となったそうです。
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