啓蒙専制君主の矛盾とは?

啓蒙専制君主の矛盾について教えてください。

啓蒙専制君主とは、「啓蒙思想に強く影響を受けた絶対君主」のこと。啓蒙思想の人間性解放、合理主義的精神にのっとり、貧民救済・検閲禁止・検閲廃止・信教の自由拡大・農奴解放など様々な「上からの改革」を行うのが特徴です。

 

啓蒙専制君主の限界

ただこれらの改革は、絶対王政が崩壊し地方で有力者が勃興する中、時の君主が権力を維持するために行ったもの。その改革は部分的なものに留まり、自らの権力を脅かすような改革は実行しなかったため、しょせん「啓蒙専制君主」というのは多分に矛盾を抱えた存在です。

 

啓蒙専制君主のもとでは、言論の自由や信教の自由はあっても、国民は決して「権力者」になることはできなかったのです。

 

啓蒙専制君主として知られるエカチェリーナ二世だが、プガチョフの大農民反乱が起きてからは反動的になり、農奴解放も白紙になっている。「上からの改革」の限界が露呈したといえる。