同盟市戦争で鎮圧にあたったスラってどんな人物?

スラ(紀元前138年 - 紀元前78年)は、古代ローマの軍人・政治家で、同盟市戦争マリウスとの内戦(スラの内戦)、ミトリダテス戦争などの重要な出来事に関与した人物です。

 

彼はパトリキ(貴族)の出身で、初めは軍人としてキャリアをスタートし、後に政治家となりました。彼の最も注目すべき業績は、古代ローマの伝統的な共和政から一時的な独裁制への移行を果たしたことです。このため、彼はしばしば「最初のローマの独裁者」と呼ばれます。

 

 

 

スラは同盟市戦争(紀元前91年 - 紀元前88年)で重要な役割を果たしました。これはイタリア半島のローマ非属州都市(同盟市)が、ローマ市民権を要求するために起こした戦争です。スラはこの戦争を鎮圧し、ローマの権威を回復する一方で、戦後の処理として同盟市民にローマ市民権を与える法を制定しました。

 

ローマの独裁官に就任

その後、スラはマリウスとの内戦と、ミトリダテスとの戦争(ミトリダテス戦争)に関与しました。マリウスとの内戦では一度はローマから追放されますが、自身が集めた軍を率いてローマに戻り、反乱を鎮圧して一時的な独裁者(ローマでは「独裁官」)に就任しました。その間にもミトリダテスとの戦争は続き、最終的にはスラが勝利を収めました。

 

独裁者となったスラは、ローマの政治体制を大きく改革しました。彼は元老院の権力を強化し、公職への昇進制度を変更するなどして、貴族層の地位を固めました。これらの改革は、「スラの憲法」とも呼ばれ、その後のローマの政治に大きな影響を与えました。

 

しかし、スラの独裁は一時的なもので、彼は自身が制定した憲法が安定した後に独裁者の地位から退き、普通の市民として過ごしたといいます。