アイルランドの社会問題

アイルランドは西ヨーロッパ・ブリテン諸島・アイルランド島に位置する共和制国家です。1922年英愛条約締結にともない成立した、新石器時代の建築物やケルトの伝統文化が魅力の国ですが、以下のような社会問題も抱えています。

 

 

北アイルランド問題

アイルランドにおいて、近世の時代から続く根深い問題として北アイルランド問題が存在します。アイルランドはクロムウェルの征服以来、1922年に英愛条約が結ばれアイルランド自由国として独立するまで、完全にイギリスの支配下に入っていました。

 

またこの独立の際、北アイルランドに関してはイギリス領として残されたので、ベルファスト合意(1998年)で一応の解決をみた今でも、北アイルランドのアイルランド帰属を求める民族運動はさかんに行われているのです。そして2022年の北アイルランド議会選では、アイルランド統一を掲げるシン・フェイン党が第一党に躍り出るなど、「アイルランド統一」は絵空事でもなくなっています。

 

北アイルランド問題に関連する事件
1649年 クロムウェルのアイルランド侵略(〜53年)
1919年 アイルランド独立戦争(〜21年)
1921年 英愛条約
1922年 アイルランド内戦(〜23年)
1972年 血の日曜日事件
1998年 ベルファスト合意

 

伝統に関する問題

アイルランドはイギリスによる植民地時代が長かったので、アイルランド語を始めとした伝統的なケルト文化の存続を危惧する声が高まっています。

 

アイルランドではアイルランド語が公用語になっているものの、植民地時代のイギリス人による文化破壊により、アイルランド語を話せるアイルランド人というのがほとんどいないのが実態なのです。政府の保護政策の推進で近年ようやく復権のきざしが見られています。