古代ローマの女性の地位

 

家父長権が強かった古代ローマにおいて、女性は父や夫の「所有物」という扱いであり、法律上の女性の権利は奴隷とそう変わりませんでした。女性は家と財産の存続に必要な跡継ぎを生む存在であり、大抵の女性は12歳にもなると「商品」として嫁に出されました。恋愛の自由などなく、花婿は父の独断で決められるのです。

 

ローマ人女性の地位向上

一方で前3世紀以降のローマの領土拡大にともない、戦争捕虜として女の奴隷が大量に流入し、ローマ人の女性も財産権を持てたり、離婚が可能になったりできるようになっています。また帝政末期には財産婚から恋愛婚主流へとシフトするなど、古代なりにも女性の地位向上もなかったわけではありません。