中世イタリアは、大小さまざまな都市国家が存在し、それぞれが独自の力を持ち、互いに競争し合う複雑な時代でした。その中でも、ミラノ公国は、ヴィスコンティ家の下で強大な権力を築き上げました。ミラノ公国の成立とヴィスコンティ家の支配について見ていきましょう。

 

 

ミラノ公国の成立

ミラノ公国の成立は13世紀に遡ります。この時期、ミラノは交易と工業により豊かな都市となり、町の統治を巡る争いが激化しました。結果的に、ヴィスコンティ家がミラノの統治権を握りました。1311年には、皇帝ハインリヒ7世から帝国の代官に任じられ、ミラノの支配を正式に認められたのです。

 

ヴィスコンティ家の支配

ヴィスコンティ家は、巧妙な外交政策と軍事力を駆使して、ミラノを北イタリアで最も力強い都市国家に成長させました。また、彼らは献金などで神聖ローマ皇帝との関係をうまく築き上げ、1395年には皇帝から公爵の地位を認められ、ミラノ公国が成立しました。ヴィスコンティ家の支配は、権力の集中化と領土の拡大により、ミラノを北イタリアの支配的な勢力としました。