イタリアに森林が少ない理由

イタリアの国土の大部分は石灰質の山岳地帯が占めており、おせじにも肥沃な土地とはいえません。大昔は豊かな森に覆われていましたが、古代ローマ時代以来数世紀の間に、近代化や開拓のために多くが伐採されてしまいました。

 

しかしそんな過去の反省からか、わずかに残る森林は自然保護区域として指定され、国家警察であるカラビニエリ傘下の森林・環境・農業保護隊により厳重に保護されています。国際連合食糧農業機関 (FAO) によれば、現在のイタリアの森林率は33.9%で、このうち1%が生物多様性に富み森林密度も高い原生林になっています。

 

イタリア人にとっての森林

イタリア人の祖先・古代ローマ人にとって森林は神聖な場所でした。「ウェスタの処女」と呼ばれる火床(ほど)をつかさどる女神・ウェスタに仕え、ローマの永続のため聖火を絶やさぬことを責務とする巫女がいて、神聖な森の木が燃料として燃やされていたのです。

 

イタリアの森林地帯

至りが全体的に痩せているとはいっても、イタリアにはまだ護るべき素晴らしい緑が少なくありません。例えばイタリア南東のガルガーノ半島のウンブラの森(Foresta Umbra)には貴重なブナ原生林が広がり、様々な植物やキノコが自生しています。

 

そしてイタリア北部のアルプスの山の麓、ピエモンテ州トリノ県バルドネッキア周辺は、イタリア一美しいといわれる豊かな森林が広がっており、整備された山道は澄んだ空気が美味しい散策コースとして知られます。

 

さらにイタリア中部のウンブリア州は「緑のハート(心臓)」の別名で知られるほど、豊かな森林に囲まれた場所。樹齢1700年ともいわれる州最古のオリーブの木が現存していることでも知られます。