古代ギリシア社会で使われていた貨幣(通貨)とは?

古代ギリシアの貨幣

古代ギリシアの貨幣は各都市国家が独自に発行し、銀や金を素材とした。デザインには神々や英雄、動物などが描かれ、経済活動だけでなく政治的・文化的メッセージも込められた。これが後のヨーロッパ貨幣制度の基礎となった。本ページでは、このあたりの歴史的背景とヨーロッパ文化との関連について詳しく掘り下げていく。

古代ギリシア社会で使われていた貨幣(通貨)とは?


古代ギリシアでは、商業の発展にともない、硬貨も急速に普及していきました。ポリスはそれぞれ独自の銀貨を作っていたため、両替商はギリシア社会において欠かせない職業でした。この両替商が、預かったお金を元手に貸付を始めるようになったのが銀行の起源でもあります。


アイギナの銀貨

ギリシャ最初の硬貨はアイギナで作られ、前6世紀頃からは南エーゲ海、ギリシャ、テッサリアなどでアイギナの銀貨スタテルによる経済圏を形成されていました。


アテナイの銀貨

地元に銀山そびえるアテナイは、ギリシアポリスの中でも飛びぬけて銀貨の発行がさかんな国でした。同国は大量の銀貨により大量の木材を仕入れ海軍力や海運力を強化し、東地中海の覇権を握るようになりました。国内でも銀貨が普及し、市民は市場で食料を買うことができました。アテナイで発行された貨幣単位にはタラントン、ムナ、ドラクマ、オボルスなどがあります。とりわけドラクマはヘレニズム世界で広く用いられた通貨単位で、表面には女神アテナ、裏側にはフクロウが刻印されていました。