北欧神話における「りんご」にまつわる話を紹介

神々の不老不死の源「黄金のりんご」を管理するイズン(カール・ラーション作)

 

りんごは、インドやヨーロッパをはじめとした、多くの国や民族に伝わる神話や物語に登場します。様々な象徴として扱われる「りんご」ですが、ここでは北欧神話における「黄金のりんご」にまつわる話を紹介します。

 

 

 

北欧神話における「りんご」

北欧神話では、「黄金のりんご」は神の不老不死の源とされており、これはギリシア神話における神々の食べ物、アムブロシアーに相当します。

 

「黄金のりんご」の管理者

またスノッリ・ストゥルルソンが著した『エッダ』の第一部、『ギュルヴィたぶらかし』によれば、青春の女神、つまり美や若さを司る神イズンだけが、この「黄金のりんご」を管理し、摘み取る資格を与えられていたということです。

 

イズンの誘拐で老いる神々

イズンは青空の様な瞳と、優しげで美しい見た目であったといいます。ただ無邪気でお人好しなところがあり、ある日ロキに騙され、リンゴと共に巨人スィアチにさらわれてしまいます。(スノッリの『エッダ』に記された『詩語法』で)

 

それゆえにしだいに老い始めた神々は、ロキに巨人スィアチからイズンを取り戻すように命じます。そしてロキは変身の呪文でイズンを木の実に変えて、巨人スィアチから連れ戻したといわれています。