ローマのトラヤヌス像
トラヤヌス帝の基本情報
生年:53年
没年:117年
在位:98年 - 117年
出身:ヒスパニア・バエティカ
死没地:キリキア
別名:「五賢帝」
功績:インフラ・領土の大幅拡大
トラヤヌス帝(53年 - 117年)はローマ皇帝で、五賢帝の1人として知られる人物です。ヒスパニア(現スペイン)の貴族出身。軍功で得た名声によりゲルマニア総督に登りつめ、皇帝ネルウァの養子となることで帝位継承権を獲得。即位後は元老院を尊重した善政を敷き、土地の開拓や港湾建設をはじめとした土木工事で社会・経済基盤の拡充に尽力しました。皇帝でありながらあからさまな専制主義は避け、キリスト教徒に対する行き過ぎた弾圧も禁じるなど、比較的穏健であった人物として知られます。一方で対外的にはかなり強気で、アルメニア、ダキア、メソポタミアなど次々と併合し、彼の治世でローマは史上最大版図を現出しています。
トラヤヌスは対外政策に積極的で、大規模な遠征を何度か行うことで、ダキアや北部国境を勢力圏に組み込み、ローマの領土を史上最大に広げました。
トラヤヌスは建設事業に力を入れ、荒地の開拓や港湾建設などで、ローマのインフラを大幅に向上させました。
トラヤヌスは元老院を尊重する穏健な政治を行い、貧民救済や税負担の軽減など、人民の為の社会政策に力を入れていました。内政が安定していたからこそ、対外政策に集中することができたともいえます。
トラヤヌス帝はその治世(98年〜117年)で、主に以下の地域を征服し、ローマ帝国の版図を史上最大のものとしています。
トラヤヌス帝の治世でアルメニア全土が征服され、114年アルメニア属州の成立が宣言されています。アルメニアは東方属州における陸路・海路貿易の要衝となりました。
アルメニアに次いで、ニノスやアルベラなど東方の重要都市を征服し、116年アッシリア属州の成立が宣言されました。
パルティア遠征によりメソポタミア全土を征服し、116年メソポタミア属州の成立を宣言しました。
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