エドワード3世(1312年 - 1377年)はプランタジネット朝のイングランド王で、フランス王位継承権を主張し、百年戦争の口火を切った人物として知られます。父の廃位にともない即位し、しばらくは母イザベラとその寵臣モーティマーが政治を担当しましたが、1330年頃から新政を開始しました。
そしてフランスのカペー朝が断絶すると、カペー朝フィリップ4世の孫であることを根拠に王位継承権を主張。1337年フランスに侵攻し百年戦争を始めたのです。皇太子エドワード黒太子の活躍で序盤は善戦し、南西フランスを占領しますが、シャルル5世の反攻により形勢逆転され、100年にもおよぶ長期戦の幕が明けました。
エドワード3世といえば、イギリス史における最も重要な画期ともいえる百年戦争の口火を切った人物として知られています。きっかけはカペー朝の断絶を受けて、エドワード3世が母の血統からフランスの王位継承権を主張したことでした。
フランスはヴァロワ朝初代フランス王フィリップ6世を即位させるも、エドワード3世はそれを認めず、挑戦状を送付したのち、1339年フランスに侵攻。フィリップ6世の軍がそれを向かい撃ち、百年戦争の幕が明けたのです。
エドワード黒太子の活躍で序盤は優勢でしたが、エドワード黒太子が病死した後はしだいに戦況は悪化していきました。結局、自らが始めた百年戦争の結末を見る前にエドワード3世は死亡。最終的には大陸からイギリス勢力が一掃され、現在のイギリスとフランスの国境が確定することとなったのです。
ノルマン・コンクエスト以来、イングランド王位はフランス王家が牛耳っていたので「イングランド国民」「フランス国民」という概念はほぼなかったのですが、百年戦争によってイングランド王家とフランス王家が完全に分断され、イギリスとフランスがそれぞれ別の国として歩み始めたことは歴史的に重要です。
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