
ポルトガルの民族衣装って、太陽の光みたいに明るくて、どこか温かみのある可愛らしさがあるんです。港町の漁師服や山岳地帯の素朴な服から、祭りを彩る鮮やかな衣装まで、本当にバリエーション豊か。中でもミーニョ地方やナザレの民族衣装は特に有名で、赤や黄色の鮮やかな色合いと手の込んだ刺繍が印象的です。ポルトガルの民族衣装は「地域の暮らしを映す実用性」と「祝祭を彩る華やかさ」の両立が魅力なんです。
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女性の衣装はブラウス、スカート、エプロンが基本で、そこに色鮮やかな刺繍や織り模様が入ります。特に祝祭用は目が覚めるような赤や黄色が多く、アクセサリーも豪華です。
赤や金色の刺繍入りエプロンに、同系色のスカートを合わせます。胸元には大量の金のネックレスを重ねづけし、富や幸運を象徴します。刺繍には花やハート、鳥など、愛や豊穣の意味が込められています。
漁師町ナザレでは、女性が7枚のスカートを重ねて履く伝統があります。これは海風や寒さから体を守るためで、色や柄の組み合わせで個性を表現します。観光客にも人気の高い、ナザレ独特のスタイルなんですよ。
ポルトガル・ミーニョ地方の女性民族衣装(ヴィアナ・ド・カステロ)
祭礼の行列で着る装い。刺繡のエプロンや赤いスカート、胸元の金細工を重ねるのが特徴
出典: Photo by Rosino / Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0より
男性は白いシャツ、黒いベストやジャケット、そして帽子を合わせるのが基本です。農村部では動きやすいズボン、漁村では耐久性のある厚手の素材が使われます。
黒や濃茶色のベストに、素朴な刺繍や織り模様を加えます。腰には布製の帯を巻くこともあります。
厚手のウールやフェルトで作られた上着や帽子を着用し、海風から身を守ります。帽子の形は地域によって異なり、ナザレでは独特の丸帽が見られます。
ポルトガルの民族衣装は中世の農民服や漁師服をルーツに、16〜19世紀にかけて各地方で独自の発展を遂げました。大航海時代には海外の布地や装飾品が入り、祝祭服が一層華やかになりました。
北部は寒冷な気候で厚手の素材や重ね着文化が発達、南部は温暖な気候で軽やかな素材と明るい色が多いです。漁村では実用性重視、農村では刺繍や織り模様で個性を出します。
今では祭りや観光イベントで着用されるほか、刺繍や織物はテーブルクロスやショールなどの工芸品としても人気。特にミーニョ地方の刺繍やナザレのスカートは、観光ポスターにもよく登場します。
こうして見ると、ポルトガルの民族衣装は、暮らしの知恵と祝祭の華やかさがひとつになった、温もりある文化の象徴なんです。
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