ヘレニズム時代の文化的特徴とは?

 

アレクサンドロス大王の東方遠征により、ギリシア文化とオリエント文化の融合が起こりました。その結果成立した生まれたギリシア風の文化をヘレニズム文化といい、ヘブライズムとともにヨーロッパ文明の二大源流とされています。

 

ヘレニズム時代の特徴

ギリシア風の文化

ヘレニズム文化は「ギリシア文化の模倣」であり、簡単にいえば「ギリシア語を話し、ギリシア的な生活を送る」ことをいいます。ヘレニズム時代には東地中海世界各地でギリシア語が公用語と話され、ギリシア風の文化が生活に浸透していたのです。

 

個人主義の台頭

ヘレニズム時代には、マケドニア、ローマという領域国家の台頭と、それにともなうポリス社会の崩壊により、個人主義的・世界主義的な生き方・考え方(コスモポリタニズム型文化)がみられるようになりました。ストア派哲学やエピクロス派哲学の登場がそれを象徴しています。

 

芸術性の変化

ヘレニズム時代になると、彫刻の作風に変化が見られました。従来のギリシア彫刻よりも、様々な角度から見られることを意識していたり、コントラポスト(人体のよじれ)が極端だったり、女神が地上に降り立つ瞬間だったり、騎乗する騎手だったり、躍動感やエネルギーを感じさせるダイナミックさを表現する作品がみられるようになるのです。ロードスのラオコーン像やミロのヴィーナスなどが有名です。