古代ローマにおける解放奴隷とは?

 

解放奴隷というのは、古代ローマの奴隷制社会において奴隷身分から解放されローマ市民権を得た自由民のことです。

 

解放奴隷は家族名である自身の名前に、主人の個人名と氏族名を加え名乗り、元主人と関係を持ち続けることで、「クリエンテス(被保護者)」という立場になりました。

 

奴隷を解放する理由

古代ローマ人が所有している奴隷を解放することは決して珍しくなく、むしろ彼らは奴隷解放に積極的なくらいでした。

 

解放することを約束し奴隷の労働意欲を高めたり、あえて解放しクリエンテスとして公職選挙における票田としたりなど、奴隷解放は主人にとってもメリットがあったからです。

 

解放奴隷になる方法

奴隷が解放される方法としては、主人の遺書により解放される、奴隷が金で自由を買い解放されるなどいくつかのパターンがありました。

 

剣闘士奴隷などは試合に勝ち続ければ解放されるのが一般的でしたが、闘技場での観客の喝采が忘れられず、解放後もわざわざ剣闘士として舞い戻る者もいたといいます。