イタリア音楽の特徴と歴史

イタリアは、2000年以上におよぶ「西洋音楽」の歴史を常にリードしてきました。ここでは、その中でも特に重要な、イタリア・オペラの歴史についてまとめています。

 

 

声楽曲とオペラ

15世紀ごろのイタリアではすでに、聖歌などとは別に世俗歌曲の創作が盛んでした。歌詞は美しい叙情詩もあれば、もっと日常生活に密着した内容や、下品な冗談が含まれたものもありました。

 

これらの音楽が発展する中で、楽譜のひとつひとつの音符に対して正確に歌詞をあてた楽譜が作られるようになり、声楽を通して情景や感情をどのように表現するかが追求されました。

 

16世紀には、大人数の歌手と大掛かりな舞台で行われる歌劇、つまりオペラが生まれました。オペラの人気はまたたく間にヨーロッパ全土を席巻し、庶民の間にも広がっていきました。

 

オペラの台本は、最初は王族や貴族向けに神話や王宮などを舞台にしていましたが、庶民的で喜劇的な内容のものや、短時間で観ることができる軽い作品も作られるようになりました。オペラのストーリーに緩急をつけ、観客を退屈させないために、非常に高い歌唱技術が要求される難曲がたくさん生まれました。

 

18世紀には、当時の国王や貴族の後援のもと、多くのオペラ劇場が建設されました。中でもミラノ・スカラ座は現在では世界最高峰のオペラ座とされており、イタリア・オペラの芸術を継承し続けています。

 

有名な作品

モンテベルディ『オルフェオ』

16世紀の作曲家モンテベルディの最初のオペラ作品。モンテベルディはオーケストラを背景効果音として使うなどの新しい試みを成功させ、イタリア・オペラの発展に大きな弾みをつけた。

 

ヴェルディ『アイーダ』

19世紀の作曲家ヴェルディの傑作のひとつで、エジプトを舞台にしている。

 

プッチーニ『トゥーランドット』

20世紀のオペラの巨匠プッチーニの未完の遺作。プッチーニのオペラは、技巧を凝らしつつも親しみやすい作風で知られる。