株式投機の過熱、過剰生産、所得格差の拡大、そして国際金融の不均衡が恐慌の背景にあった。アメリカ発の危機が金本位制を通じて世界に拡散した。本ページでは、さらに経済構造の問題や国際情勢との関連などについても詳しく解説していく。

世界恐慌のソ連への影響
資本主義国が恐慌に苦しむ中、ソ連は計画経済体制により直接的な影響を受けなかった。これが社会主義の優位性を宣伝する材料となった。本ページでは、さらにソ連の経済政策や国際的評価などについても詳しく解説していく。
1929年アメリカで株価の大暴落が発生すると、アメリカ経済に依存していた世界中の資本主義国が引きずられるように不景気になっていきました。
しかしソ連は社会主義体制の国で、利益目的でなく配給のために計画的経済活動(五か年計画)を行っていたため、世界恐慌の影響は受けなかったのです。
工場も企業も全部国が管理しているのですから、影響を受けないのは当たり前といえば当たり前です。なので世界恐慌で他の国が大慌てしている中、ソ連は一人勝ち状態で経済発展に集中することができたのです。
その一方でソ連は、五か年計画の柱である工業化の為に農業を犠牲にしたため、飢饉や飢餓が発生し、大量の餓死者が出るという、世界恐慌に匹敵する災禍に陥っています。
とくに最大の穀物生産地帯であるウクライナは、従属するソ連に食糧を持っていかれていたので、飛びぬけて多い犠牲者を生みました。
ソ連による穀物強制徴収の様子/ウクライナのハルキウ州にて
ソ連の世界恐慌回避が手放しに賞賛されることがないのは、こういった犠牲の上に成り立っていたことが背景にあります。
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