ローマ神話における「知恵の神」とは?

知恵の神ミネルウァ(アンドレア・マンテーニャ画)

 

ローマ神話における「知恵の神」とは、ミネルウァのことです。ミネルウァは知恵の神であると同時に商業や工芸、戦争の神でもあり、ギリシア神話のアテーナーと同一視されます。

 

 

 

ミネルウァの来歴

ミネルウァは古代ローマの女神であり、もともとは詩や医学、商業などあらゆる知恵を司っていました。ローマ神話における最高神ユーピテル、その妻ユーノーとともに、国家神として、カピトリヌス丘のユピテル神殿に祀られています。

 

後にギリシア神話のアテーナーと同一視されるようになると、戦争や戦略の女神とも言われるようになり、本来軍神であったマルスを押しのける勢いで崇拝されるようになりました。

 

ただし、ミネルウァの戦いは決して血生臭く暴力に満ちたものではなく、あくまで都市の自治と平和を守る、守護神のような立ち位置であったとされています。

 

知恵の象徴として

知性や英知、また自治と平和をも司るミネルウァは、現在でも多くの学校や公的機関のシンボルとして登場します。絵画など芸術作品も含め視覚化される際のミネルウァは、彼女自身の聖鳥とされ、西洋で広く知恵の象徴とされるフクロウを肩に乗せており、平和を表す聖木オリーブと共にあしらわれることが多いようです。